小1の息子は早生まれで、ひらがな・カタカナにちょっと不安がありました。夏休みのうちに身につけてほしい。でも、ドリルは開きません。
「楽しみながらできる形なら、やるかもしれない」。そう思って、前から興味のあった Claude Code で、息子専用のアプリを作ってみました。私はエンジニアではありません。
先に結論を書くと、最初に動くものができるまでは半日ほど。息子は夏休みの間ずっと使い、夏休みが終わった今も使っています。作ったのを見た小2の娘に「私のも作って」と言われ、漢字アプリも作りました。
この記事では、何を作ったか、どうやって作ったか、つまずいたこと、かかったお金を、そのまま書きます。
作ったもの
息子(小1)向け: ひらがな・カタカナの「かきかきタウン」
字を1つ書くとお金がもらえて、そのお金で自分の街に建物を買っていくアプリです。桃鉄が好きな息子に合わせて、建物は毎日収益を生みます。「昨日の夜のうちに◯◯円もらったよ」から1日が始まるので、翌朝また開きたくなる仕組みです。

同じ建物を合体させるとレベルが上がり、レベルが高いほど翌日の収益が増えます。息子はこれが一番気に入っていて、街をいじっている時間の方が長いかもしれません。
書き取りの画面はこんな感じです。お手本の上を指でなぞります。書き順の番号が出て、書き始める場所を教えてくれます。

一番こだわったのは、「不正解」を出さないことです。息子は間違いを指摘されるとすねて投げ出すタイプなので、バツ印も不正解の音も一切ありません。雑に書いても少しはもらえて、丁寧に書くと金額が跳ねる。それだけです。書き順を間違えたときは、正しい順番のアニメーションがもう一度流れて、なぞり直せばフルボーナス。失敗ではなく「おかわりチャンス」に変えました。
娘(小2)向け: 漢字の「かきかきギャラリー」
娘は絵を描くのが大好きで、iPad でいつも描いています。一方で、漢字を「思い出して書く」のが苦手で、反復練習は嫌い。「あと10問」のような残りの数を見た瞬間にやる気を失います。
そこで、自分で描いた絵がパズルになって、漢字を1字正しく書くたびに1ピース戻ってくる形にしました。1枚の絵が約200ピース。200回の書き取りが「自分の作品を完成させること」にすり替わります。

残りの問題数はどこにも出しません。「1字書けたらピースが1枚開く」という前進だけを見せて、好きなだけ続けられ、いつでもやめられます。

小1で習った漢字80字の復習と、小2の漢字160字の先取り。合わせて240字を、読みを聞いて思い出しながら書く練習ができます。
どちらのアプリも、家の iPad の Safari で動きます。ホーム画面にアイコンを置いて、普通のアプリと同じように開けます。App Store には出していません。
どうやって作ったか
やったことを順番に書くと、こうです。
- コードではなく、目的を文章で伝えた。 「小1の息子。ひらがなの読みはできる。夏休み6週間、1日15分、親がついていなくても1人で使える。ドリルはやらない。桃鉄が好き。間違いを指摘されるとすねる」。こういうことを、思いつくまま日本語で書きました
- 設計案を複数出してもらって、選んだ。 Claude Code は「こういうアプリはどうですか」と案を出してくれます。街づくりの案、収益の案、「不正解を出さない」設計は、このやりとりの中で固まりました
- 設計書を作ってもらい、OKを出した。 実は、上に書いた「不正解を存在させない」「量を見せない」といった方針は、このとき Claude Code がまとめた設計書にそのまま残っています
- あとは、作ってもらう → iPad で試す → 直してもらう、の繰り返し。
かかった時間は、息子の分が半日ほど。娘の分も同じくらいです。娘のアプリは息子のアプリの中身を流用したので、「同じ書き取りの仕組みで、ごほうびだけパズルに変えて」という頼み方ができました。
正直に言うと、私はコードを1行も読んでいません。読めません。それでも作れたのは、「うちの子はこういう子で、こうなってほしい」を一番知っているのが親だからだと思います。そこさえ伝えれば、形にするのは Claude Code がやってくれました。
つまずいたこと
テストでは動くのに、iPad だと動かない
Mac の画面では動いていたのに、iPad で開くと、親向けの画面を開くための「長押し」が効きませんでした。原因は今も分かっていません。ただ「iPad で長押しが効かない」とそのまま伝えたら、直してくれました。分からないことを分からないまま相談していいのが、非エンジニアには本当に助かります。
判定が厳しすぎた
最初は、書き始めの位置が少しずれただけで「おしい」になっていました。指で書くとどうしてもぶれます。娘から「ちゃんと書いてるのに」と言われて、判定をゆるめてもらいました。これも「娘が、ちゃんと書いてるのにおしいって言われる、と言っている」と伝えただけです。
使っていると、子どもから要望が出てくる
これは良いつまずきでした。娘は「1日にもっとたくさん新しい漢字をやりたい」。息子は、予想以上のペースで字を書いたので、街のマスがあっという間に埋まってしまい、「なんとかして」と言ってきました。そこで、同じ建物を合体させてレベルを上げる仕組みと、いらない建物を捨てる機能を足しました。合体は今では息子のお気に入りです。使いながら「こうしたい」が出てきて、そのたびに足していきました。完成させてから渡すのではなく、まず触らせて、反応を見て直す方が早かったです。
子どもの反応
息子は夏休みの間ずっと使い、夏休みが終わった今も続いています。ひらがなもカタカナも、形はまだきれいとは言えませんが、書けるようになりました。夏休み前の「不安」は、なくなりました。
娘は、もともと絵を描くのが好きなので、どんどん絵を描いては、それをパズルにするために漢字の練習をするようになりました。「漢字をやりなさい」と言ったことは、一度もありません。
うまくいった理由を1つ挙げるなら、2人それぞれの性格に合わせて、別々に作ったことだと思います。同じ「文字の練習」でも、息子には「集めて育てる」、娘には「自分の絵を完成させる」。刺さる形が子どもごとに違う。市販のアプリとの一番の違いは、その子だけのために作れることでした。
かかったお金
読者の方が一番気になるところだと思うので、はっきり書きます。
- Claude の契約: 最初は Pro プラン(月20ドル)。今は Max プラン(月100ドルから)に変えました。夏休みの2本を作った時点では Pro でした。料金は2026年9月時点の公式サイトの表記です
- パソコン: 手持ちの MacBook Air(M2、2022年モデル)。新しく買っていません
- 動かす端末: 家にあった iPad
- それ以外: 0円
「お金をかけずにやりたい」ということも Claude Code に相談しました。そうしたら、サーバー代のかからない形で設計してくれました。有料のサービスや道具を勧められることはありませんでした。
これから作ってみたい人へ
私がやったことは、次の3つだけです。
- 最初の一言は日本語で書く。 「誰のために、何のために、どんな感じにしたいか」。コードの知識はいりません。子どもの性格や、好きなもの、嫌がることを書くと、設計に反映されます
- 最初から完璧を目指さない。 動くものを子どもに触らせて、反応を見てから直す方が、ずっと早く良くなります
- 分からないことは、分からないまま伝える。 「iPad だと動かない」「判定が厳しいと言っている」で通じます
次は、学習アプリだけでなく、毎日の家事や子育ての場面でも AI を使ってみるつもりです。そのときはまた、うちの実例として書きます。
まとめ
- 非エンジニアでも、子ども専用の学習アプリは半日で作れました
- 大事だったのはコードではなく、「うちの子に何が刺さるか」を知っていること。それは親が一番よく知っています
- 「不正解を出さない」「量を見せない」のような方針は、子どもを見ていれば出てきます。Claude Code に伝えれば、形にしてくれます
ドリルを開かない子に、ドリルをやらせる方法は、うちにはありませんでした。でも、その子が夢中になる形に変えることはできました。同じことで悩んでいる方の、何かのヒントになればうれしいです。
